記事作成日:2022/06/06

記事更新日:2024/03/04

医師の開業事例を紹介!専門医は成功しやすい?

開業医は勤務医と比較して、自分の裁量で業務量や業務内容を調整することができるため、一般的に勤務時間の融通が効きやすいというメリットがあります。 収入面も勤務医より良いことが多く、これらのメリットから多くの医師が開業を考えます。 しかし、初期費用がかかることや事業失敗のリスクはつきものです。 今回の記事では、開業医のよくある失敗事例やその対策について紹介します。

 

開業医の失敗事例から対策を練ろう

まずは開業医のよくある失敗事例を紹介します。 いずれも、開業準備の段階で予防することができます。 開業のリスクを充分に理解した上で入念に準備を進めましょう。 中でも特に重要な、立地、設備投資、人間関係の失敗事例について解説します。

 

立地が失敗の原因に、集患方法は重要な要素

事例 ニーズに応じた立地選びに失敗し、患者が集まらず運営が安定しない
対策 開業エリアの競合数や駅の利用者数など立地選びからこだわりを持つ

立地は開業にあたり非常に重要な要素となります。 周囲にすでに同様の診療科を標榜するクリニックが複数ある場合や、アクセスが悪い場合は患者が集まらない可能性があるためです。 また、根拠なく開業計画を立てたり、外来患者数の伸び率や経営状況の分析を怠ったりするなど、経営戦略に問題がある際にもこのような失敗に陥ってしまうことがあります。 ホームページを持たないクリニックも多いですが、近年はネットで検索してクリニックを選ぶケースが増えているため、新規患者やスタッフ採用などの流入経路を整えるためには、ネットでの情報発信は必須となります。

 

過度な設備投資はせず、少しずつ揃えていこう

事例 必要以上にクリニックの設備をそろえすぎて、借入金による破綻が起こる
対策 開業計画を立てていくうちに投資額が大きくなりそうであれば、初期設備を見直す

クリニックを開業する際、大きなハードルの一つが設備投資です。 つい、できる限り多くの設備投資を、と考えてしまいがちですが、まずは相場を知ることが重要です。 小児科や皮膚科における医療機器の合計金額は1,000〜2,000万円程度に収まり、一般内科や耳鼻咽喉科なら2000万円前後が目安となります。 脳神経外科では1億円ほどかかることもありますが、一般的に2億円を超える開業はほとんどありません。 開業計画を立てていくうちに設備投資額があまりに増えてしまう場合には初期設備を削減することを検討しましょう。

 

スタッフマネジメントの欠陥が大きなトラブルに発展することも

事例 スタッフマネジメントが上手くいかず、患者からの印象も悪くなる
対策 スタッフマネジメントにも注意を払う 自身で勉強する時間が少ない場合は専門家からアドバイスをもらう

クリニック内のスタッフの就業環境も開業を成功させる上で非常に重要です。 安定したクリニックの運営にはスタッフの協力が必要不可欠であると同時に、スタッフの退職率や満足度を改善し、働きやすい環境を整備することが患者サービスの向上にもつながります。 開業を成功させるためには医師のみならずスタッフと患者の関係性がとても重要となります。 医療者やスタッフと患者の関係性を良好に保つことで、地域から信頼され、安定したクリニック運営を行うことができます。

 

開業医が失敗しないためのチェック項目

ここまで、開業における失敗事例とその対策について解説しました。 これらを踏まえて、失敗しない開業のためのチェック項目を紹介します。 開業計画を立てる際にぜひ参考にしていただき、失敗しないクリニック運営を目指しましょう。

 

開業計画をきちんと立てる

根拠を持った開業計画を立てることが失敗しない開業の第一歩となります。 開業するにあたって必要なことはエリアの決定、設備やスタッフなどの設備投資、医師会や諸官庁への手続きなどです。 まずはそれぞれについて情報収集をしっかり行い、綿密な計画を立てましょう。 また、開業を予定している診療科や自分の得意分野、クリニックのコンセプトによって最適なエリアや設備投資などは異なるため、これらをしっかり検討します。 どのようなクリニックにしたいのか、他との差別化をどういったところで図っていくのか、自分の得意なスタイルはどのような運営か、などの要素を充分に吟味することが重要です。 入念な開業計画が失敗しないクリニックの運営には欠かせません。

 

開業エリアを調査する

開業エリアを充分に調査しましょう。 その地域の住民や想定する利用者の年齢層、家族形態や業務内容の偏り、アクセスの良さ、人出の多い時間帯などを充分に把握しておく必要があります。 こういった情報から最適なクリニックのコンセプト、地域内での立地、運営方法、開業時間などは変わります。 失敗しない開業医となるために開業エリアの情報を収集し、エリアごとの経営戦略の知識も備えておくと良いでしょう。

 

設備やスタッフ、資金の調達

初期設備やスタッフの配置を決定しましょう。 開業の初期費用にはスタッフの人件費やマネジメント費用、必要な機材などを購入する資金なども含まれます。 そのため、これらがどの程度必要になるのか、またどこから捻出・借入するのかを練る必要があります。 どのようなスタッフを何人、どこに配置するかによっても運営コストは異なるでしょう。 なお、設備やスタッフは開業後に適宜追加することもできるため、最初は必要最小限にとどめておくことを推奨します。 場合によっては機器をリースすることも検討しましょう。 また、必要な医療機器の重量やサイズを把握しておくと、構造を考慮した建物の選択が可能となります。

 

諸手続きの確認

クリニックを開業するためには、一般的な事業開業に必要な手続きに加えて、さまざまな手続きや関係各所への事前相談をしなければなりません。 保健所や消防署との連携、医師会との関係性の構築、厚生局から保険医療機関としての指定を受けるなど多岐にわたります。 これらの準備はクリニックの形態によっても異なるため、一人で考え込まず専門家に相談することも検討しましょう。

 

専門家からアドバイスをもらう

クリニックの開業には医療に関する知識はもちろんのこと、それら以外にも経営や不動産、税理など多様な分野の知識が必要となります。 医師として働きながらこれら多岐にわたる分野の知識を身につけることは難しい場合もあります。 失敗するリスクを避けるためにも、クリニック開業に精通する専門のコンサルタントや税理士、開業経験のある医師などの意見をぜひ参考にしてみましょう。 開業後も必要となる知識であり、安定したクリニック運営を目指すなら開業する時点で専門家と連携をとっておくことが重要です。

 

専門医となって開業を有利に進める方法も

専門医を取得することが開業を有利に進める手助けとなることもあります。 専門医とは厚生労働省の定める日本専門医機構が認定した特定の試験を通過し、専門領域に特化していることを正式に標榜できる医師を指します。 専門医を取得することでスキル向上や知識を深めることができるだけでなく、専門医を標榜することで患者からの支持を得やすくなるなどメリットが大きいため、開業する前に取得を考えてみてはいかがでしょうか。

 

開業成功の鍵、専門医!ドクターズスタディを役立てよう

ドクターズスタディでは新制度の専門医試験に対応し特化した講座を用意しています。 近年一新された新専門医制度は2018年から開始したばかりということもあり、専門医試験の情報が少なく一般的な既存の教材ではカバーできない範囲もあります。 しかしドクターズスタディであれば新専門医制度に対応し、対象となる専門分野ごとに特化した講座を用意しています。 そのため自分の専門性に合わせて必要な分だけ勉強することができます。 日常診療や開業準備などで忙しい方でも効率よく専門医の取得を目指すことが可能です。 医師国家試験で全国の医学生から大好評を得ている対策講座のノウハウに基づいたPDFテキストの配布と映像授業で、理解しやすく、自分の好きなペースで知識を増やしていきましょう。

 

専門医が開業に有用な理由

より専門的な知識を体系的に身につけられることや専門医を標榜できることだけでなく、開業を目指している人にとって専門医取得には多くのメリットがあります。 例えば、専門医取得の過程で所定のプログラムを終了することにより、専門科だけでなく関連する診療科の知識を広く身につけることができます。 また同じ地域の病院で研修を行うことで地域医療連携に知見が深くなり、開業した後も患者の紹介や相談などをスムーズに行うことができるでしょう。 新専門医制度の研修を修了してから開業することで、専門の診療科における経験だけでなくより広い視野を持って診療を行うことが可能となり、質の高い医療が提供できるようにもなります。

 

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