2023/01/16

女性医師が少ない理由とは?日本の医療現場は働き方改革が遅れている!

2022年以前から、医療現場では人手不足を原因とする長時間労働の常態化が問題視されてきました。その対策として女性医師の増員が注目を浴びたものの、日本はジェンダー・ギャップ指数が146か国中116位、ジェンダー開発指数が191か国中76位と低い値であるように、未だ性別による不平等が残っています。こうした課題解決のためには働き方や支援の見直しが急を要するでしょう。
今回は日本の女性医師が少ない現状とその理由、2022年現在実施されている施策について詳しく解説します。

データから見る女性医師の現状

日本は女性医師が少ないといわれますが、その実態は診療科によって異なります。眼科や産婦人科、小児科では30%以上を女性が占めているのに対して、整形外科や外科は10%にも満たない値です。ここでは女性医師が少ない現状や、就労形態に着目し紹介していきます。

 

日本は女性医師が顕著に少ない

医療施設で働く女性医師の割合は近年増加傾向にあり、1976年の9.4%から2018年の21.9%まで着実に上昇を続けています。医学部入学者に占める女性の割合も約3分の1と好ましい状況です。
しかし海外と比較すると依然として少なく、OECD加盟国における女性医師の割合の平均が49%である一方、日本は22%とかなり低いことがわかります。

出典:OECD Health Statistics 2021 女性医師の割合、2000年と2019年(または直近年)

また29歳以下で35.9%を占める女性医師の就業率が、30〜39歳では31.2%、40〜49歳では26.3%、50〜59歳では16.6%と顕著に低下していく特徴を持っています。このように就業率が30歳以降に低下するモデルは結婚・出産・育児が要因なことが多く、休職や離職からの復帰率の低迷が推察できます。

参考:
男女共同参画局『様々な分野における女性の参画』
厚生労働省『平成30年(2018年)医師・歯科医師・薬剤師統計の概況』

 

働いていてもパートタイムの割合が高い

日本で働く女性医師は男性医師と比較して、パートタイムである場合が多いです。
2010年の調査では男性医師はフルタイムの割合が96%、パートタイムが4%となっており、女性医師はそれぞれ69%と29%です。それに伴い、30歳以降はすべての年齢層で男性の方が長く勤務しており、医師労働力市場における貢献度が高いといえます。こうした背景から女性の就労形態ないしは働き方の見直しが求められてきました。

参考:男女共同参画調査会『医師不足時代の女性医師の就労問題とその対策』

 

日本で女性医師が少ない理由

では、なぜ日本では女性医師が少ないのでしょうか。日本では育児や子育ては女性が行うものという女性の社会的役割が根強く残っており、これらが女性医師に負担となっている可能性が考えられます。

 

女性医師の休職・離職率が高い

女性医師の働き方に特徴的な点として、休職・離職率が高いことが挙げられます。休職・離職をした理由として1番多かったものは出産であり、2番目が子育てでした。休職・離職をした女性医師の7割が理由として出産を挙げています。
また、休職期間で最も多かったのは6カ月~1年未満(29.0%)ですが、1年以上休職した人の割合は合計すると39.6%になっています。子育てと勤務の両立には、休職が必要という現状があります。

参考:厚生労働省 女性医師キャリア支援モデル普及推進事業の成果と今後の取組について

 

常勤への復帰が少ない

また、復職はするものの常勤への復帰が少ないという現状、それから女性医師の多くが復職を希望しているものの、環境要因によって実現できないことがあります。
例えば、医学的知識や現場での業務に対してブランクがある、就業時間が長く家庭との両立が困難、急な欠勤や早退に対応できる環境が整っていない等です。そのため、常勤への復帰をしやすくするためには、当直免除などの物理的支援だけではなく、女性医師の働き方に対する上司や同僚、家族の理解も重要となるでしょう。
また、ブランクを避けるのであれば離職するのではなく、育児休業などを取得して休職期限を決め、現場復帰していくことも選択肢の1つです。

参考::https://www.jstage.jst.go.jp/article/mededjapan/45/5/45_365/_pdf

 

将来の不安が医師の増加に歯止めをかけている

家庭と仕事の両立に対する不安が、女性医師の増加に歯止めをかけています。
育児への期待、配偶者の家事・育児不参加や保育所の不足等が、継続就労を阻むものとして挙げられています。
実際、医学部卒業生に行った調査では、子どものいる女性の週の家事労働時間は35時間となっており、子どものいる男性の3時間と比較して顕著に多いことがわかります。また、医師の1日の労働平均時間が10.5時間と長時間であり、労働環境が過酷であることも女性医師にとって不安要素になっています。
日本の社会に残る女性の役割と就労環境の2つの要因が、女性医師の増加に歯止めをかけています。

参考: https://www.teikyo-u.ac.jp/application/files/3115/8381/9478/minsyutou.pdf

 

女性医師が少ない現状を打破するための施策

では、女性医師が少ない現状を打破するための施策として、どのようなことが考えられるでしょうか。海外では外国人医師を呼び込むことによって人員を確保し、労働環境の改善に努めています。日本では、女性医師に向けた就労支援事業や、民間によるサポートが広がりつつあります。

 

女性医師の就労支援事業

各都道府県において、女性医師の支援に関わる取組みを実施しています。
相談窓口を設置し、復職のための勤務先の紹介や、仕事と家庭の両立へのアドバイスを行い、仕事と家庭の両立が可能な職場環境を整え、離職防止や再就業の促進を図ることを目的としています。
具体的には、病院や医師会等において相談窓口を設置する、復職のための研修を実施する医療機関に対して研修経費を補助する、勤務環境改善の取組みを図る医療機関に対して補助を行うなどの取り組みを行っています。

参考:https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000197435.pdf

 

民間による女性医師のサポート

また、民間機関による女性医師の支援も行われています。
例えば、日本医師会が管理する女性医師支援センターでは、都道府県医師会等と協力し、「医学生、研修医等をサポートするための会」等の講習会を開催し、啓発活動を行っています。
また、女性医師の相談窓口の設置促進、各医師会が主催する講習会等に対する託児サービス併設の促進や補助に努めています。女性医師バンクという職業紹介事務所から、就業先の紹介や医師確保の支援も行っています。

参考:https://www.med.or.jp/joseiishi/
参考:https://www.icrip.jp/mdc_ishi_josei/

女性医師の復職をサポートするドクターズスタディの対策講座

「医療崩壊」にあえぐ日本にとって、女性医師が勤務を継続できない現状はなんとしても打破しなければなりません。しかし、上述のように常勤や臨床現場の最前線へ復帰するためには医学知識のブランクを埋める必要があり、自己学習のみでは難しい場合もあるでしょう。

ドクターズスタディは、実臨床をイメージしながら学習が進められる業界唯一の学習講座です。40年にわたり医師国家試験と医学生のデータを分析し、業界トップシェアの医師国家試験対策講座を提供しています。各学会の最新情報、問題集をはじめ、専門医試験受験者への聞き取り調査を実施し、出題情報など徹底的にリサーチを行っています。「最も効率的かつ網羅性の高い学習」をコンセプトにした専門医試験対策教材です。復職を目指す女性医師にとって心強い味方となるでしょう。ぜひ、ご活用ください。

まとめ

医療現場に女性医師が少ない理由について解説してきました。
海外と比較すると日本の女性医師の比率は低く、パートタイムの割合が高い傾向にあります。また、出産や子育てによる離職・休職率が高く、女性医師の多くが復職を希望しますが、環境要因によって実現できないことがあり、その理由の1つとして医学的知識や現場での業務に対するブランクが挙げられます。
ドクターズスタディでは、実臨床をイメージしながら学習を進めることができ、医学的知識のブランクを埋めるにはとても有用です。復職を検討している女性医師の方は、ドクターズスタディを活用してみてはいかがでしょうか。

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