記事作成日:2023/05/29

記事更新日:2024/08/14

【2024年試験】救急科専門医試験の過去問はどこで入手できる?傾向と対策も紹介!

2018年4月以降に施行された「新専門医制度」では、救急科領域の専門研修をプログラム制度で行うことが原則となっています。この制度に伴い、救急科専門医試験にはどのような変化があったのか気になるところです。

本記事では、救急科専門医試験の対策として効果的な過去問の入手方法や、専門医試験の傾向と対策について詳しく解説します。

 

 

救急科専門医試験の過去問を入手する方法

新専門医制度が始まって以来、専門医試験の形式や内容が大幅に変更されることはほとんどありません。(2023年現在)そのため、過去問を利用することは試験対策として有効です。では、過去問はどこで入手すればよいのでしょうか。

 

日本救急医学会のサイトや情報をチェックする

救急科専門医試験の過去問は日本救急医学会のホームページから閲覧可能です。2020年度以降の過去問は日本救急医学会会員専用ページ(e医学会)にのみに掲載されています。
e医学会にログイン後、所属学会メニューから「日本救急医学会」を選択し、「専門医筆記試験問題」をチェックしてみましょう。1997年度から2021年度実施の専門医筆記試験問題を入手することができます。

 

Wiley Online Libraryからダウンロードする

2019年度以前の過去問はWiley Online Library(日本救急医学会雑誌)から閲覧することができます。Wiley Online Library は米国のJohn Wiley & Sons社が提供するオンラインコンテンツサービスです。科学技術・医学などの雑誌・図書・レファレンス・ワーク(参考図書)を収録する全文データベースです。Wiley Online Libraryのホームページで、「救急専門医筆記試験」と日本語で検索すると、救急医学会学会誌に掲載された過去問を入手することができます。

過去問を利用すると出題傾向、重点分野を把握することができますので、最大限に活用しましょう。

※参照:
日本救急医学会 会員専用ページ(e医学会)
Wiley Online Library(日本救急医学会雑誌)

 

過去問から知る救急科専門医試験の最近の傾向 

試験内容は「原則として診療実績表の内容に準じる」とされており、学会が参考書籍等として提示しているのは『救急診療指針』(へるす出版)と各種救急関連ガイドラインです。
ここでは、よく出題される分野を過去問から抽出しました。例年幅広く出題されていますが、その中でも問われる頻度の高い疾患を系統別にまとめています。頻出問題を重点的に対策したい方は参考にしてみてください。

※スマートフォンではスクロール可能

神経領域 脳梗塞に対するtPA治療、血管内治療の適応と禁忌が頻出。
循環器領域

心筋梗塞・肺塞栓症・感染性心内膜炎・急性大動脈解離に関する出題が目立つ。

IABP (Intra Aortic Balloon Pumping)、PCPS(Percutaneous cardiopulmonary Support)などのデバイスに関する問題も出題されている。

呼吸器領域

肺炎患者の治療方針をA-DROPスコアから選択する問題が出題された。

スコアを知っているだけではなく、実際に計算する問題が他領域でも見られる。

消化器領域

急性膵炎の重症度判定、食道静脈瘤破裂に対する緊急内視鏡的治療法の選択に関する問題が頻出。

デバイスでは、イレウスチューブ、SBチューブの特徴について問われる。

腎臓領域 血液浄化療法の適応に関する問題が多い。
血液領域

播種性血管内凝固症候群(DIC)、血栓性微小血管症(TMA)に関係する問題が多い。

DICスコアを使用しての診断、TMAの治療法について問われる。

内分泌代謝領域

糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)、アルコール性ケトアシドーシス(AKA)関連の問題が多い。

アルコール関係ではウェルニッケ脳症、コルサコフ症候群の症状と画像診断も頻出。

感染症領域

破傷風菌感染症の問題が多く、菌の特徴、治療法について問われる。

敗血症の症例問題で、身体所見からqSOFAを計算する問題も頻出。

アレルギー領域

家族性血管浮腫(HAE)に関する出題が多い。

診断と特殊な治療法について問われる。

外因性疾患領域 外傷診療のPrimary Survey、顔面骨折のLe Fort分類、骨盤骨折の治療、熱傷の面積計算と初期輸液量の計算、フッ化水素による化学熱傷の治療、脊髄損傷の損傷部位の診断の出題が多い。
その他 ハブ咬傷、小児の心停止への対応、小児の熱傷面積の計算、妊婦の生理的変化、羊水塞栓症の診断と治療、精神科の入院制度に関する問題が頻出。

※参照:
日本救急医学会 救急専門医“筆記試験”のお知らせ
日本救急医学会 会員専用ページ(e医学会)

 

救急科専門医試験の対策におすすめな教材

専門医試験対策に有用なのは過去問を閲覧することだけではありません。
他にもおススメの対策方法がありますので紹介していきます。

 

日本救急医学会が掲載する勉強用コンテンツ

救急医学会は、救急科専門医筆記試験問題の中から選んだ問題を、「救急診療指針(改訂第5版)」のカテゴリー別に、学会会員専用ページ内に「救急科専門医試験:勉強用」として掲載しています。
下記のカテゴリーに分類され、過去問が解答・解説付きで公開されています。頻出問題・分野の解析に最適で、重点的に勉強すべき範囲の特定に有効です。

カテゴリー 問題数
救急医学総論 2問
病院前救急医療 6問
心肺蘇生法・救急心血管治療 13問
救急初期治療 8問
救急手技・処置 43問
救急症候に対する診療 22問
救急疾患に対する診療 76問
外因性救急に対する診療 76問
小児及び特殊救急に対する診療 34問
重症患者管理 74問
災害医療 10問
救急医療の質の評価・安全管理 8問
救急医療と医事法制 15問
医療倫理 4問

※参照:日本救急医学会 救急科専門医試験勉強用コンテンツ掲載のお知らせ

 

ドクスタの専門医試験対策講座

専門医試験の対策としておすすめなのがドクターズスタディ(ドクスタ)の講義動画です。ドクスタは、「最も効率的かつ網羅性の高い学習」をコンセプトにした「医師のための試験対策・教育動画配信サイト」です。
そんなドクスタが提供する講義動画・テキストは、各学会の最新情報や発行されている問題集、試験受験者への聞き取り調査などの徹底的なリサーチのもとで作成されています。そのため、短期間で効率的に学習を行うことができます。

救急科専門医試験は過去問が公表されていますが、その量は膨大で救急の現場で働きながら専門医試験の対策と両立するのは難しいのではないでしょうか。。
その点を踏まえて、ドクスタでは「救急化専門医試験リサーチサマライズ」講座を提供しています。
「救急科専門医試験リサーチサマライズ」講座のポイントは以下です。

①王道のテーマをピックアップ

②そのテーマについての過去の出題傾向と今後の学習の方向性を示す

③問題数を絞り込みコスパ重視の学習を進める

救急科専門医試験は特に➂のコスパが重要です。ドクスタが提唱するコスパとは「実際に上昇した得点」÷「授業時間+演習時間」で求められます。これが高ければ高いほど、短い時間で効率的に試験対策ができていることを意味します。

本講座では、コスパを重要視して問題を厳選しています。また、医師国家試験のトレンドも組み込むなど、救急科専門医試験の試験対策には欠かせない講座になっております。新専門医制度下の専門医試験対策に不安がある方はぜひ活用してみてください。

 

救急科専門医試験は旧制度からどう変わった? 

新専門医制度では、病院グループが提供する研修プログラムに応募して、そのプログラムのもとで3年間の研修を受けることで、専門医試験を受験する資格が得られます。試験に合格すると専門医になることができます。

受験資格の基準は医師免許を取得した年によって異なり、2016年以降に医師免許を取得した場合は新専門医制度下での研修が必要です。
また、何らかの理由でプログラム制での研修ができない場合には、合理的な理由が学会によって認められた場合にのみ旧制度のカリキュラム制で研修を行うこともできます。

旧制度から新専門医制度では試験範囲、難易度は特に変わらず、網羅的な知識が必要であることに変わりありません。救急科専門医試験の合格率は70-75%程度で、毎年約300人の救急科専門医が生まれています。*1 筆記試験は毎年秋頃に実施されていますので、スケジュールを組んで対策しましょう。

*1日本救急医学会 卒年と救急科専門医取得方法

 

救急科専門医を目指すならドクターズスタディ 

新専門医制度下で専門医資格を取得するのに、過去問の確認のみでは不安という方や、学会の解説よりもっと深く学びたいという方にはドクターズスタディ(ドクスタ)の活用がおすすめです。

ドクスタでは救急科に限らず学びたい診療科の対策ができます。専門医試験受験にあたって押さえておきたい重要テーマ・頻出テーマを厳選したオリジナル問題集を使って万全の試験対策を行いましょう。
普段は診療などで時間のない医師でも、効率よく学習できるようポイントが抑えられているため、短時間で得点力を上げることが可能です。サンプル動画も見られますので、ぜひ一度講義内容のイメージをつかんでみてはいかがでしょうか。

 

 

まとめ

救急科専門医は内因性・外因性に関わらず、小児から成人まで、すべての緊急度・重症度の患者に対応できる診療科のため、やりがいが大きいでしょう。さらに、救急医療は比較的新しい分野であり、多様なキャリアを実現できる可能性があります。
救急科専門医試験の対策には、学会のホームページから過去問を確認することと、ドクスタの講義動画・テキストを活用することがおすすめです。
救急科専門医資格の取得に向けた万全の対策を行いましょう。

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