2022/06/06
新専門医制度の基本領域とは?サブスペシャリティ領域とともに解説
医学部を卒業後、医師免許を取得し初期研修が終わると、多くの医師が専門医の取得にむけて準備を始めることになります。 今回は新専門医制度における基本領域とサブスペシャリティ領域について解説します。
医学部を卒業後、医師免許を取得し初期研修が終わると、多くの医師が専門医の取得にむけて準備を始めることになります。 今回は新専門医制度における基本領域とサブスペシャリティ領域について解説します。
記事作成日:2022/08/01
記事更新日:2024/09/02
2018年度より一般社団法人日本専門医機構が運営する「新専門医制度」がスタートしました。新専門医制度が始動してから日が浅いこともあり、新専門医制度の仕組みや新しい専門医試験について、把握しきれていないところもあるのではないでしょうか。
今回は、新専門医制度の仕組みについて解説し、新専門医制度下で行われた初の専門医試験の合格率を紹介していきます。専門医試験の受験を考えている方は参考にしてみてください。
まずは新専門医制度の仕組みと、制度の目指す目標について解説していきます。新専門医制度は、日本医療においてどのような目標を達成するために設立されたのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
新専門医制度は、19の基本領域のいずれかの専攻医となり研修を終えた後、サブスペシャリティ領域でより専門的な分野の修得を目指す2段階方式です。
例えば消化器内科の専門医を目指す場合、基本領域である内科専門医資格を取得後、消化器病専門医や肝臓専門医などのサブスペシャリティ領域の資格を取得することになります。
サブスペシャリティ領域の研修は、原則として多くの科で「プログラム制」が推奨されていますが、相当の合理的な理由がある場合は「カリキュラム制」で専門医を目指すことも可能です。
2018年度に日本専門医機構によって統一的な専門医制度が確立されるまでは、各学会が独自に設けた試験や基準で専門医が認定されてきました。そのため、専門医の質にバラツキがあったり、多種多様な専門医が乱立していることで患者が受診に際しわかりにくかったりするなどの問題点が見られていました。
これらの問題を解決するために、日本専門医機構は以下の行動目標を立てています。
1.日本専門医機構は、国民が受診に際しわかりやすい専門医制度をつくります。
2.日本専門医機構は、専門医を目指す医師が誇りをもって医療に携われる制度を目指します。
3.日本専門医機構は、国民だれもが、標準的で安心できる医療を受けることのできる制度を目指します。
引用元:一般社団法人日本専門医機構ホームページ(https://jmsb.or.jp/about/)
新専門医制度は、安心できる制度のもとで専門的医療に熟練した医師を育成し、日本の医療向上に貢献することを目標としています。
このように目標が一新された新専門医制度で初の専門医試験が、19の基本領域で行われました。
旧専門医制度との合格率の違いは見られたのでしょうか。ここでは、内科専門医試験を例に出題内容や形式と合わせて紹介します。
新専門医制度下の内科専門医試験の出題内容は、旧専門医制度とは異なり単に知識を問う問題ではなく、臨床的な応用力を問う問題を多く出題するように変わりました。出題傾向としては一般問題よりも臨床実地問題により重点を置いています。
出題形式としては、旧専門医制度と同様にMultiple Choice Question〈MCQ〉を使用してのマークシート方式であり、一般問題(100/250題)と臨床問題(150/250題)の計250題でした。
旧専門医制度の内科専門医試験の合格率*1 は平成27年度が62.60%、平成28年度が56.70%、平成29年度60.00%で、過去3年度の平均合格率は59.80%であったことがわかります。
一方、新専門医制度下の第1回内科専門医試験の合格率は94.45%、第3回試験は85.28%の合格率でした。
合格率に大きく差があることから、新専門医制度の旧専門医制度とは異なったプログラム制の研修が、専攻医にとって有意義であることがわかります。
ここからは、新専門医制度で確実に合格するための対策方法を紹介していきます。
どの領域においても、基本的には旧専門医制度下で出題された問題を確認しておくことが重要です。
例えば外科専門医試験は、日本外科学会のホームページに「過去5回程度の旧制度における外科専門医予備試験で出題した問題を中心に計100題を出題する」との記載があります。
また内科専門医試験でも、試験の難易度について「従来の総合内科専門医と認定内科医との中間に位置している」との記載があります。
新専門医制度の専門医試験は、旧専門医制度と専門医として求められる知識、臨床推論力が著しく異なるということはありません。そのため、旧専門医制度下で出題された過去問を中心に試験対策を行うと、効率よく試験勉強ができるでしょう。
専門医試験対策として各学会の学会誌で症例を確認することは非常に重要です。学会誌には各症例における臨床経過や考察が記載されており、参考文献も確認することができます。こうした症例報告の臨床経過に数多く触れることは、臨床問題を解く際に参考となるでしょう。
内科専門医試験の対策に使用できる「日本内科学会雑誌」は、日本内科学会のホームページでアーカイブが見られ、PDFで閲覧可能です。内科専門医試験では、試験範囲に「日本内科学会雑誌」が記載されているので必ず確認するようにしましょう。
新専門医制度下で専門医資格を取得するのに、過去問の確認や学会誌の症例チェックのみでは不安という方もいるでしょう。そのような方におすすめなのが、ドクターズスタディ=ドクスタです。
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新専門医制度は、2018年よりスタートし、基本領域とサブスペシャリティ領域の2段階制で、整ったプログラム制のもと、国の医療に貢献できる専門医の育成を目指しています。
2021年に基本領域の研修を終えた専攻医が受けた第1回内科専門医試験が行われました。合格率は94.45%と旧専門医制度の合格率と比べて大きく伸びましたが、専門医試験は試験対策なしで簡単に合格できる試験ではないので、万全な準備が必要です。
専門医試験対策としておすすめなのがドクスタの講義動画です。ドクスタは、新専門医制度の試験に対応し、普段は診療などで忙しい医師の方でも短い時間で万全の対策ができるよう出題ポイントが抑えられています。新専門医制度下で新しくなった専門医試験に不安を感じている方は、ドクスタの講義動画を利用して万全な試験対策をしてみてはいかがでしょうか。
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