記事作成日:2022/07/27

記事更新日:2024/03/12

新専門医制度下の外科専門医試験はどうなる?!過去問対策は可能?

外科医として医療に携わろうと考えている方の多くは、外科専門医の取得を検討するでしょう。専門医試験の対策は過去問を用いることが一般的です。しかし2018年に新専門医制度が導入され、各専門医制度に少なからず影響が出ています。

この記事では、今後も過去問を用いた対策が可能なのか、また過去問はどこで入手すれば良いのか解説します。

 

 

外科専門医試験は旧制度の過去問で対策できるのか

先述の通り、新専門医制度は2018年に導入されたばかりです。データが少なく、分野によっては対策が難しいこともあります。では外科専門医試験においてはどうなのでしょうか。

 

そもそも新専門医制度が導入された理由と概要

2018年以前は各学会が専門医制度を運用し、独自の試験や基準によって専門医を認定していたため、学会によって「専門医の質」に偏りがありました。

そこで、日本専門医機構が中立的な第三者機関として専門医制度の運用を開始。認定基準が統一されたことで、専門医の質をそろえることが可能となりました。

こうした経緯で導入された新専門医制度は「プログラム制」を用いています。
従来は、学会が一定の基準を満たす病院を研修施設として認定し、研修医は個別に研修施設を選択して研修する「カリキュラム制」です。
一方、新専門医制度では、日本専門医機構が指導医数、症例数、研究業績等の基準を満たす研修施設を認定します。研修医は研修施設である基幹施設や連携病院をローテートしながら3年以上研修するという仕組みです。

旧制度から新専門医制度への移行期である今、日本外科学会では、新専門医制度における専門医の新規採用と、旧専門医制度(日本外科学会独自)の両方を行っています。

 

旧制度下の過去問で新制度の外科専門医試験に対応可能!

2022年時点で、新専門医制度下で実施された外科専門医試験は2021年度の1度のみです。つまり新制度下の過去問は1年分しか存在しません。そうした中、旧専門医制度での過去問を用いて対策できることは嬉しいポイントです。旧制度下の過去問が活用できる理由を解説します。

日本外科学会のホームページに記載されている新専門医制度の試験内容には次のような記載があります。

過去5回程度の旧制度における外科専門医予備試験で出題した問題を中心に計100題(上部消化管:15題、下部消化管:15題、肝胆膵脾:15題、心臓+血管:15題、呼吸器:10題、小児:10題、乳腺・内分泌:10題、救急+麻酔:10題)を出題します。

したがって旧専門医制度の過去問が試験対策に利用可能です。

なお、新専門医制度では面接試験(従来認定試験として行っていた形式)を廃止し、筆記試験(従来予備試験として行っていた形式)に一本化となりました。筆記試験の重要度が上がったといえます。

 

外科専門医試験の出題形式や問題は?

どのような問題が出題されるかがある程度分かったところで、具体的な出題形式や問題の内容を確認し、対策を立てていきましょう。

出題形式はMCQ(Multiple Choice Questions:多肢選択式問題)です。
出題内容は「外科領域専門研修プログラム整備基準」の到達目標1と2についてです。

 

到達目標1:専門知識

外科診療に必要な以下の基礎的知識・病態を習熟し、臨床応用できるレベルまで学習しましょう。具体的な基準は研修手帳にて記載されています。

(1)局所解剖(2)病理学(3)腫瘍学(4)病態生理(5)輸液・輸血

(6)血液凝固と線溶現象(7)栄養・代謝学(8)感染症(9)免疫学 

(10)創傷治癒(11)周術期の管理(12)麻酔科学(13)集中治療

(14)救命・救急医療

到達目標2:専門技能(診察、検査、診断、処置、手術など)

外科診療に必要な検査・処置・麻酔手技に習熟し,それらの臨床応用ができるかどうかの知識が問われます。こちらも具体的な基準は研修手帳を参照してください。

出題内容

詳細

検査手法について

(1)超音波検査

(2)エックス線単純撮影、CT、MRI

(3)上・下部消化管造影、血管造影等

(4)内視鏡検査

(5)心臓カテーテル

(6)呼吸機能検査

周術期管理

麻酔手技

(1)局所・浸潤麻酔

(2)脊椎麻酔 

(3)硬膜外麻酔(望ましい)

(4)気管挿管による全身麻酔

外傷の診断・治療

右(詳細)の手技を含む外科的クリティカルケア

(1)心肺蘇生法

(2)動脈穿刺

(3)中心静脈カテーテルの挿入とそれによる循環管理

(4)人工呼吸器による呼吸管理

(5)気管支鏡による気道管理

(6)熱傷初期輸液療法

(7)気管切開、輪状甲状軟骨切開

(8)心嚢穿刺

(9)胸腔ドレナージ

(10)ショックの診断と原因別治療(輸液、輸血、成分輸血、薬物療法を含む)

(11)播種性血管内凝固症候群、多臓器不全、全身性炎症反応症候群、代償性抗炎症性反応症候群の診断と治療

(12)化学療法と放射線療法の有害事象

初期治療や専門医への転送の判断について

外科系サブスペシャルティまたはそれに準ずる外科関連領域の初期治療や専門医への転送の判断について

参考:専門研修プログラム整備基準|日本外科学会

これらの基本的な知識は専門医の研修中に身につけていきます。
そのほか学会やセミナーに参加したり、書籍や論文を通読し深く学習することが推奨されます。

 

外科専門医試験の対策方法!過去問の入手方法とは

外科専門医試験は学会誌の症例や市販の過去問題集にて対策します。早めに勉強計画を立てることで余裕を持って試験に挑むことができます。

 

外科医学会の学会誌をチェック

まずは日本外科学会の学会誌「日本外科学会雑誌」を確認しましょう。

学会誌では特集を中心に外科分野に関する症例や論文を読むことが可能です。スマホを使って、診療の合間やちょっとした空き時間を活用し、試験勉強に役立てましょう。2022年6月時点で2005年の第106巻以降の全文が閲覧できます。なお閲覧にはIDとパスワードが必要です。

紙媒体を希望する場合は、申し込むことで配本を行なってもらえます。

また、日本外科学会の英文誌「Surgery TodayやSurgical Case Reports」も閲覧できるため、時間を見つけてぜひ読んでみてください。

 

外科専門医試験の過去問題集

さて、日本外科学会の学会誌で最新の話題や多くの症例をチェックしたところで、やはり専門医試験対策の要となるのは過去問です。残念ながら、日本外科学会のホームページから筆記試験の過去問を入手することはできません。したがって過去問対策のためには、市販の過去問題集を購入する必要があります。

日本外科学会が発行する「外科専門医過去問題集(2021年収載版)」にて実際に出題された問題を確認できますが、この過去問題集は1冊につき1年分しか収載されていません。過去問5年分となると、少なくとも複数冊を購入する必要があります。

そこでおすすめの教材が「ドクターズスタディ」です。

 

最短7日間!外科専門医試験対策方法はドクスタがおすすめ!

「ドクターズスタディ」略して「ドクスタ」は、専門医の資格取得に役立つテキストや動画を提供しています。過去の問題から重要な要素をピックアップし解説しているため、効率的な学習が可能です。

 

新専門医制度試験に対応した対策講義動画

ドクターズスタディは新専門医制度に対応した対策講座がそろっています。その中でも「外科専門医試験対策講座」は外科分野に特化した教材です。通常のテキスト学習とは異なり動画で勉強できるため、集中力や理解度は格段に向上するでしょう。普段の診療や手術などでいつも忙しい研修医や医師だからこそ、効率よく学習できる外科専門医試験対策講座を役立ててみてください。サンプル動画を視聴し、実際の講座の雰囲気を確認することも可能です。

 

講師は医師国家試験対策講義のカリスマDr.孝志郎

講師のDr.孝志郎は、類稀なる予想的中力と、わかりやすく聞き取りやすい講座に加え、明るく楽しい人柄で圧倒的な人気を誇ります。

現在は開業医の目線から、初期研修医用講座や臨床医用講義まで幅広く担当している「医学を教えるスペシャリスト」です。自身の試験対策を通して得た知識や合格を勝ち取るためのテクニックなど、医学生から臨床医まで使える講義を提供しています。

またテキストのみで学習を進めたい場合は「外科専門医受験のための演習問題と解説」がおすすめです。医療業界の出版社で最高峰の「医学書院」とドクスタが共同で開発したテキストで、新専門医制度にも対応しています。またドクスタの講義動画のテキストとしても使われており、専門医取得を狙える教材です。

 

 

まとめ

できるだけ効率よく外科専門医試験の合格を勝ち取りたい方は、ドクスタの講義動画の利用をおすすめします。研修に参加しながら試験勉強をすることは心身ともに負担が大きいです。研修と試験対策を両立するために実績のある外科専門医試験対策講座を活用しましょう。

関連のおすすめ記事

2023/05/17